コンサルタント・メッセージ  



コンサルタントとクライアントの関係


“問題を解決する=病気を治す”と言う点では「コンサルタントはビジネスドクター」というこれまでの話の続きとして、今回はコンサルタントとクライアントとの関係について紹介しよう。

解決すべき問題では、企業内部の問題もあれば、競争関係や取引関係あるいは顧客や市場ニーズとの関係における問題があって、それらは複雑多岐な組み合わせの中での問題となっている。

同じ問題でも、同じ解決方法が有効であるとは限らない。一見同じ問題に見えても、それぞれに要因があって、深く専門的に分析してみると、実は本質的に同じ問題とは言えないケースはいくらでもある。

またトップの経営についての考え方や理念、さらにはパーソナリティから経営資源や与えられた解決の時間、環境によって解決方法も変わってくる。そこにコンサルタントのパーソナリティやスキルが関わってくる。

コンサルタントとクライアントとの関係は、単なる立場・役割の上での関係だけではなく、実に人間くさい信頼関係をベース成り立っていると言うことは前回にも述べた。

最も望ましい関係は、第一に、当然のことであるが、問題解決に向けてコンサルタントとクライアントが共通認識に立っていることである。すなわち、問題解決の狙い・目的・目標、そして問題の本質、解決のための基本的手段・方法やロードマップなどのプランの共有化である。

第二に、問題解決を実施するに当たって、コンサルタントとクライアントが協力連携できることである。実際に問題に手をつけようとするといろいろな事情を持つ問題がでてくる。たとえば、大変な努力を要する問題、立場によって利害関係のある問題、変わりたくない事情・変わりたい事情、触れられたくない問題などさまざまである。それらの問題は避けて通れないことがいくらでもある。
この時、コンサルタントとクライアントがどれだけ勇気を持って協力し合えるかが問題解決の大きなポイントとなる。

第三に、問題解決に当たって、コンサルタントの人間力を含む高度なコンサルティングスキルとクライアントの取り組みのパワーが融合することである。問題解決にはいろいろなスキルとパワーが必要である。これらはある一定以上のレベルがなければならないのは当然であるが、バラバラに発揮されるのではなく、融合されていなければならない。
一般的に、コンサルタントとクライアントのスキルとパワーは、問題解決の過程においてお互いに磨きがかかり、進化していく。それはコンサルタントとクライアントのスキルとパワーが融合していた証でもある。

第四に、問題解決後、クライアントが確実なメリット享受を受けるために、フォローを継続することである。問題は解決して終わりではない。問題解決後の努力の中で果実が収穫できるのである。この果実をより大きくすることが最も重要である。
この段階ではほとんどクライアントが独自で活動するが、取りこぼしの無い果実の収穫ができているかどうかのフォローがコンサルタントにも求められている。
案外、この段階の取り組みが双方とも疎かになっていることが多い。

病気は治すだけで終わるのではなく、さらに健康になって楽しい生活を送ることが最終目的なのだから。

以上

【2005年2月22日】
元井 弘/
主席経営コンサルタント
プロフィール:大手及び中堅企業を対象に経営改善・改革コンサルティング、人事制度改革、組織改革、経営戦略・経営計画策定、教育・訓練などを手掛ける。
実際に企業の中に入り込み、経営者や社員とともに改善していくスタイルを実践。コンサルティング対象企業数は600社を超える。











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