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存続・発展へ向けて、患者様中心の医療と経済合理性に沿った経営の必要性
戦後の我が国経済は、1980年代後半まで、いくつかの不況はあったものの基本的には「右肩上がりの成長」を謳歌してきました。それが一転して1990年代に入り、バブル経済崩壊と共に、長期にわたる経済不況へと転じました。この長期不況から何とか脱却すべく、金融、財政をはじめ我が国全体での構造改革が進展しているのはご存じのとおりです。
 医療業界も例外ではなく、1990年まで病院数は右肩上がりの増加を続けましたが、1万をピークとして中堅、中小病院を中心にその総数は低下傾向にあります。その理由の1つはかつて需要過多であったものが、供給過剰と地方部を中心とするモータリゼーションの進展により、病院であっても顧客である患者さんから選ばれなければ存続し得なくなったからです。そしてもう1つの理由は、長期不況により、国および地方自治体の財政が逼迫し、医療といえども聖域ではなくなり、医療費の総額抑制が行われてきたからです。
 しかしながら医療制度改革はこれからが本番です。2003年4月からの患者自己負担の増加により、医療機関への選考意識はより高くなっています。加えて行政は、さらなる医療費抑制のために、急性期医療機関を中心に淘汰を推進することと思われます(次頁「医療制度改革試案」別添資料参照)。そのような状況下では、医療機関といえども民間企業同様に、顧客である患者さん中心の医療と経済合理性に沿った経営が存続の前提条件となります。その意味で、むしろ民間企業の持つ様々な経営ノウハウこそが、今日の医療機関経営に求められていると考えます。医療機関が存続・発展のために必要な経営ノウハウの1つが「部門別原価計算」です。

今後に向けて、貴院が存続・発展できる医療の明確化
今後病院が存続・発展へ向けて検討されるべきことは大きく3つあります。

1つめは、設立者の理念・方針および病院職員等の思いなどを踏まえ、病院として「取り組みたい医療」の明確化です。
2つめは、地域医療を手がける病院として、地域から「望まれる医療」の明確化です。基本方針である「急性期の二次医療を主体とする医療機関」として、機能の異なる医療機関からの期待は何か?競合する医療機関とのポジショニングをどう考えるのか?地域の疾病構造や受療行動はどのようになっているのか?自治体や消防本部などの期待は何か?などを明らかにすることです。
3つめが貴院として、「できる医療」を明確化されることです。

急性期医療を手がけるためには、「医師、看護師をはじめとする基準を満たし、機能に沿った医療スタッフの確保」が必要です。取り組みたい医療、望まれる医療のために必要な医療スタッフが確保できるのか?また急性期は、集中的に治療を必要とする患者さんを対象とする医療ですから、高度な医療機器や設備が必要となり「設備投資に必要な資金調達と返済能力」が必要となります。そして「できる医療」を明らかにする仕組みが「部門別原価計算」です。

 部門別原価計算を中心に、経済的合理性に沿った「(当院として)できる医療」という視点に加えて、関連各機関や自治体および住民の方々の期待・要望を踏まえて、「当院が存続・発展できる医療」へ向けての全体最適化を図ります。

 


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